近所に定員18名のグループホームがありますが、介護職で募集がありました。
介護に関心があるので面接に行こうか迷っています。どういった方が入所していらっしゃるのか、どういった仕事内容なのか詳しく教えていただけないでしょうか?
このような悩みを解決します。
本記事の信頼性
- 介護経験は7年、その内グループホームへ6年勤務
- 認知症ケアの講師としての経験もあり
- アルバイトを含めると特養、老健、有料老人ホーム、グループホーム、病院を経験
- 資格は介護福祉士、看護師、ケアマネジャーを保有
本記事の内容
- グループホームの仕事内容
- 未経験者が勤める上での不安2つ
- 認知症について
- グループホームで働く際の注意点【実体験】
- 転職におススメのエージェント
今回はグループホームの仕事内容について解説します。
前半部分ではグループホームの仕事内容について紹介します。
後半部分ではグループホームで勤める上での不安を詳しく解説していきますね。
これから仕事を始める方へ向けてひとつひとつお応えしていきます。
この記事を読むことでグループホームで働く上での注意点が分かりますよ。
また実体験ベースの記事なので説得力があります。
これから働き始めたいという方はぜひ最後まで読んでみてください。
前置きはこの辺りにして早速はじめていきましょう。
目次
グループホームの仕事内容【未経験でもOK!よくある2つの不安を解説!実体験】
よくある不安は以下です。
- 調理が不安
- 認知症の方への対応が不安
結論から言うと未経験からでもOK、心配ありません。
グループホームとは
『認知症高齢者が住み慣れた地域の中で、少人数かつ、家庭的な雰囲気の中で生活を送ることで、生きがいを持ちながら生活する場所』です。
介護職員は小規模なため、ひとりひとりの高齢者とゆっくり関われます。
認知症グループホーム協会からは以下のように説明しています。
認知症グループホームは、認知症の人へ少人数(5人から9人)を単位とした共同住居の形態でケアを提供しています。
家庭的で落ち着いた雰囲気の中で、食事の支度や掃除、洗濯などの日常生活行為を利用者やスタッフが共同で行うことにより、 認知症状が穏やかになり安定した生活と本人の望む生活を実現することができます。
すっごく手短に言うと
認知症の高齢者がみんなで暮らす家のことですね。
仕事内容
認知症ケアなどの難しい話は置いておいて、業務としてみた時に、仕事は主に2つです。
家事支援(調理、洗濯、掃除)
グループホームは『家』と同じように生活がその場で完結するようになっています。
食事、洗濯、掃除などの生活に必要なことは入居者にやってもらいながらできない方には支援を行います。
身体介護(入浴介助、食事介助、オムツ交換、移送、移乗)
必要な介助を行っています。
介護度によってはオムツ交換や、車いすで移動の介助を行う機会もありますよ。
多くは3交代か、2交代です。
私の職場は2交代でした。
仕事の内容を紹介(1日の流れ)
以下は私の勤めていたグループホームのリアルな一日です。
日勤
8:00 |
出勤 少し早めに出勤し情報収集 |
8:30 |
簡単に居室を掃除して回る トイレが汚れていることが多く、主にトイレ掃除。 排便の確認も行う。 |
9:00 |
申し送り 夜勤者に夜の入居者の状態を聞き情報をシェアする。 |
9:30 |
家事業務(昼食づくり) カウンターキッチンで、食堂にいる入居者を見守りながら昼食を作ります。 |
11:30 |
盛り付け、配膳準備 入居者で出来る方がいれば一緒に行います。 |
12:00 |
配膳・昼食 職員、利用者が同じテーブルで昼食を食べます。 休憩ではないです。 |
13:00 | 食事の片づけ、休憩 |
14:00 |
家事業務(夕食づくり) 夕食の準備にとりかかります。 朝に比べると、少し時間があるのでゆっくり作ります。 |
16:30 |
記録 一日の入居者の様子をひとりひとり記録していきます。 忘れてしまわないように、イベントがあればメモしておき、それを参考に記録します。 |
17:30 |
退勤 ほぼ定時で退勤します。 |
その他 |
週1回、食材の買い出し 物品管理など 施設見学など、家族への対応 |
下記は夜勤です。16時間勤務でした。
長く感じますが、入居者の自立度の高いグループホームのでは、身体介護を必要とする方は少ないため、夜は皆さん休まれていました。
体への負担も比較的少ない印象ですね。
夕食後、朝食前の忙しい時間を乗り切れば勝ちでした。(笑)
60代の方もこなしていましたよ。
夜勤
16:30 |
情報収集 記録を見ながら、入居者に変化がないかを確認します。 |
17:00 |
夕食の仕上げ 日勤者から引き継ぎを行い夕食の仕上げを行います。 手際よく行います。 |
18:00 |
食事 入居者と一緒に食事を摂ります。 |
19:00 |
就寝介助 入居者を居室へ案内、パジャマに着替えて就寝の準備を手伝います。 |
20:00 |
眠前薬の配薬 必要な方だけです。 |
21:00 |
見回り 入居者に変わりがないか巡視します。 この時間はまだ起きている方も多いです。 変わりなければ数分で終わります。 |
22:00~ |
1時間ごとに見回り 明日分の薬の準備 記録など 早めに終わらせれば自分の時間です。 この時間に資格の勉強をします。 それもなければ、ひたすらYouTubeを見ます。 |
3:00 |
朝食準備 朝食の準備を始めます。 |
6:00 |
起床介助 ひとりひとり声を掛けます。 介助が必要な方はパジャマに着替えてもらいます。 朝食まで1時間が忙しいので勝負の時間帯ですね。 |
7:00 |
食事 全員が出てくればホッと一息。 一緒に朝食を摂ります。 少し眠いです。 |
8:00 |
記録 夜間の入居者の様子を記録に残します。 眠気はピークに。 朝食の際に余ったコーヒーをひたすら飲みます。 |
9:00 |
申し送り 日勤者に引継ぎを行います。 メンバーによっては雑談タイムになりますね。 |
9:30 |
退勤 定時で退勤。 眠気はどこへやら『さあ遊びに行こう!』とテンションはMAXになります。 |
少し言い方が悪いですが、楽な職場を選びたければ平均の介護度を確認してみましょう。
要介護度が低いほど、身体介護は少なくなるので体への負担も、減ってきます。
要介護度は以下。
→要支援1~2→要介護1~5
→右へ行くほど、状態は重くなります。
介護度は徐々に上がるモノなので、そこは注意ですよ。
あくまでも、未経験者は、介護度が低い方が入りやすいかなという話です。
未経験から勤めた実体験を紹介【未経験でもOK】
最初にも言いましたが、未経験の方が心配なのは以下ではないでしょうか。
- 調理が不安
- 認知症の方への対応が不安
私も同じような不安を持っていました。
特に料理の方は、、、。
私が勤め始めた際のステータスはこんな感じです。
- 22歳
- 介護は、ほぼ未経験
- 料理、家事の経験なし。(ご飯の炊き方が分かるくらい。)
それでも何とかなりました。
実体験は以下です。
調理が不安【そもそも料理は作らなくてもいい?】
グループホームでも料理をしてない所もあるんです。
たとえば
- 専用の調理スタッフを雇っている。
- 併設の施設から料理を上げてもらっている。
- 宅配サービスを利用し、盛り付けだけ行っている。
などです。
グループホーム向けの宅配サービスもあります。
こんな感じです↑
また、調理がある場合でも
クックドゥなどの『野菜を切って混ぜるだけ』でOKなモノを使っていたりします。
私が勤めていたグループホームでは
- ご飯が炊ける
- 野菜が切れる
ぐらいのスキルがあれば十分でした。
家事経験がある主婦の方は心配する必要はなしです◎
不安なら、転職希望のグループホームがどのように家事支援を行っているのか、調理スキルが必要ならどの程度のモノかを確認してみましょう。
そもそも、調理自体を行っていないかもしれませんよ?
認知症の方への対応が不安【認知症について知ることで不安を解消しよう】
認知症の方についての対応は少し勉強が必要です。
グループホームの入居者は以下です。
- 65歳以上
- 要支援2以上
- 認知症の高齢者
皆さま認知症です。
認知症について、理解がないとつらい瞬間があります。
自分のストレスを減らすためにも認知症についての最低限の知識は必要です。
- 何度も同じことを言われ、イライラする。
- 思いもよらないことで怒鳴られる。
- 叫んだり、感情のきふくが激しい方にドン引き。
- 私だけ拒否される気がする。つらい。
認知症の理解がないと、『はあぁぁ、、、』と本当に疲れる瞬間があるんです。
『なんで自分だけ?』『他の人は上手く対応しているのになんで?』と。
こういったことの積み重ねがストレスや、最悪の場合、虐待などにつながります。
認知症の知識があることで、ある程度、『この人はこういう症状だから』と、腑に落ちる部分があり、自分のストレスの軽減につながります。
勤めながらでもOKです。自分を守るためにも勉強は必要ですよ。
今回の記事では認知症の方の対応の際のコツを簡単にお伝えします。
以下の2つは知っておいてください。
- 雰囲気は伝わる
- 感情は残る
雰囲気は伝わる
認知症が重度になると、すべてを忘れていしまう、言葉も分からない、コミュニケーションもとれないような状態になります。
しかし、そんな方でもこちらの『雰囲気』は伝わっていると言われています。
イライラして対応している、めんどくさそうに対応している。
全ては伝わっています。
- 『この人なにも分かってないから適当でいいわ』
- 『この人どうせボケてるから、ほっといたらいい』
そんなことを思いながら接するのはNGです。
感情は残る
嫌なことされた職員に対しても
できごと自体は忘れても、『こいつとなんかやなことがあったな、、、』という感情は覚えています。
そこから特定の職員のケアの拒否につながる例を実際にいくつか見てきました。
例えばこんな人がいます。
他の職員の前では丁寧に対応して、夜勤などでひとりになると、素が出てしまい、雑な対応になる。
↑これ
ひどいと思うかもしれませんが、こんな人って結構います。
どっちかというと私も少なからず、そういった所がありました。
陰で暴力をふるう職員がいたとすると、その人に対する態度が若干おかしくなったりします。
穏やかに、ひたすら穏やかに。そして丁寧に。
↑これが基本であり、最強の対応法です。
グループホームで働くのに資格は必要か。
グループホームで働くのに資格は必要か?
必要ありません。
ただし自己研鑽を行いたい方には以下の資格はオススメです。
介護職員初任者研修(ヘルパー2級相当)
これから介護を始める場合の基本資格です。
最初に取得を目指すのはここになりますね。
実務者研修(ヘルパー1級相当)
こちらも介護の基礎になる基本資格です。
介護職員初任者研修を受講していることで、数時間分の免除が得られます。
介護福祉士(国家資格)
介護の王道となる資格です。
転職にも役立つことでしょう。
実務が必要になるので数年後の取得を目指しましょう。
認知症ケア専門士
認知症に特化した民間資格です。
3年の実務が必要になりますが内容の濃い、良質な資格です。
グループホームで働く注意点【体験談】
ここからは実体験をふまえ、注意点を紹介していきます。
注意点というか、実際に働いていてつらかったのは以下ですね。
- 人間関係がめっちゃ閉鎖的(人間関係の逃げ場がない)
- 医療的なことが学びづらい(看護師がいない)
人間関係がめっちゃ閉鎖的(人間関係の逃げ場がない)
グループホームは職員自体の人数も少ないので、人間関係の逃げ場がありません。
建物自体も小さく、人間関係は超閉鎖的です。
いわゆる『変な人』『変わった人』『自分と合わない人』がいるともはや地獄ですよ。
そして、1度でも関係がこじれると修復不可能になる場合もあります。
慣れるまでこの閉鎖空間が本当につらかったです。
実際に私がつらいと感じていたのは以下ですね↓
- 休憩は全員一緒にとる。
- 自分以外は全員女性。
- 年は全員がひと回り以上、自分より上。
↑これ。
特に休憩を一緒にとるのがつらかったです。(笑)
周囲と上手くやっていくために自分なりに努力はしていました。
以下です。
- 最低限の仕事はこなす。
- おしゃべりは適度に付き合うようにする。
- 自分から悪口は言わない。悪口には同意も、否定もしない。
- 体臭、見た目の清潔感には最低限の配慮はする。
これくらい出来ていればトラブルは回避できそうです。
医療面が弱い(看護師がいない)
グループホームでは必ず、看護師を配置する義務はありません。
よって医療面はすごく弱い。
多くのグループホームは弱点を補うために訪問看護事業所と連携していたりします。
必要なことは、訪問看護師に確認したりしますが、気軽に相談できない環境なのは間違いありません。
答えが明確に出ない感じがすごく、もどかしいんですよ。
- あたらしく、薬が処方されたけど注意点は?
- 最近、足がむくんでいる方がいるけど、どうしたらいいのか。
- 少し血圧が高いけど、どうしたものか。
看護師がいればすぐに相談し解決できますが、
ちょっとしたことで電話して医師や他事業所の訪問看護師に、相談するのもいかがなものかと戸惑ってしまいます。
グループホームの情報はどこから得るのか?【ひとりでの転職が不安なら】
ここまで話しましたが、
- そうはいってもグループホーム詳細な情報はどうやって手に入れたらいいの?
- ひとりでの転職が不安なんですけど、、、
と言われる方へ介護の『転職エージェント』をオススメします。
使ったことない。
もしくは初めて聞くという方も多いはずです。
転職エージェントのメリットは以下です。
- 専門のアドバイザーが適切な、求人を紹介してくれる。
- 面接、履歴書の添削をしてくれる。
- 自分の代わりに条件交渉をしてくれる。
- 無料で資格が取得できる(転職エージェントによる)
- 求人サイトから1分で登録可能。無料で利用できる。
例えば『調理が不安』なら、調理のないグループホームなどの情報も持っています。
給与や、休みの条件などの交渉も代わりにやってくれるという便利さです。
デメリットは以下になります
- 連絡がうざい場合がある。
- 担当者によっては対応が悪いケースがある。
- 地域、転職エージェントによっては求人がない場合がある。
成果報酬型なので担当者によってはしつこく連絡してくる場合があるようですね。
転職エージェントによっては、地方の求人に極端に弱いところもあります。
利用方法は
利用方法は以下です。
- サイトから無料登録
- 後日、アドバイザーからの連絡が来る
- 条件などをヒアリング
- 求人の紹介
- 面接日の設定・調整
- 面接
- 就職
サイトから求人を検索することもできます。
気に入らない求人なら電話で断っても全然OK◎
おすすめの者は以下にまとめておきます。
資格が無料でとれるもの、求人数が多いもの、首都圏の求人に強いものです。
全て無料になるので安心して利用してください。
それぞれの転職エージェントの詳細は以下にまとめておきます。
まとめ
今回は以下のことを解説しました。
- グループホームの仕事の内容は大きく分けて2つ
- グループホームに勤める上での不安は主に2つ。
- 調理は出来なくてもOK
- 認知症については少しは勉強が必要(働きながらでOK)
- 転職について、情報がなければ転職エージェントを利用すべし
施設介護と違い、家事支援などから、少し毛色が違うと思われがちなグループホームですが、認知症の対応ってひかえめに言って面白いですよ。
私も数年仕事をして、いくつもの珍エピソードができました。(笑)
それはまた別記事で話していきますね。
介護士を7年経験。看護師2年目。副業アルバイトも加え猛烈に働き1年間で200万円貯金し看護学校へ入学した経験あり。ケアマネ資格も保有しています。体験談をベースに、看護師、介護士、ケアマネの情報を発信しています。