◯才男性
介護保険は生活保護でも使えますか?詳しく教えてください。
このような声にお応えします。
今回の記事では介護保険のプロであるケアマネ資格を有する私が、介護保険と生活保護についての関係についてお話していきますね。
生活保護を受ける方にとって老後は大事な問題です。
普通は介護保険を利用して生活していくはずですが、生活保護受給者は使えるのか?という疑問が。
今回の記事は3分でサクッと読めますので、抱えている疑問を解消していってください。
筆者の紹介
- 介護7年→看護学校へ入学。
- 看護学校在学中に三度目の受験で第18回ケアマネジャー試験に合格しました。
- 看護師国試験の勉強と並行して研修を受講し資格取得。
今回の記事の内容は以下になります。
- 生活保護受給者でも介護保険は利用できる。
- 医療保険に未加入の65歳以下でもみなし2号として介護保険と同等のサービスを利用できる。
- 生活保護者の自己負担は基本的にない。
- 生活保護受給が介護保険を利用する際はまずは福祉事務所に行けばいい。
目次
介護保険は生活保護でも使えるのか【結論:生活保護でもOK。みなし2号の扱いです。】
上記の通りです。
結論から言って生活保護を受けている人でも介護保険は利用できます。
何なら本人負担は0円で利用可能。
少しずるいですよね。
詳しく説明していきます。
介護保険の対象を知っておこう。
本題に入る前におさらいをしておきます。
介護保険の給付を受けられる人は以下の2パターンです。
-
第1号被保険者 65歳以上の市町村に住所のある高齢者
-
第2号被保険者 40~64歳以上の医療保険加入者
この2パターンの人が『要介護状態』『要支援状態』になった場合に介護保険の給付が行われます。
※第2号被保険者は『要介護状態』『要支援状態』になった原因が特定疾病であることが必須。
生活保護者の受給者であっても65歳以上であれば『第1号被保険者』に該当します。
その場合は介護保険が適用になります。
生活保護者に介護保険料が払えるのか?
Q:生活保護受給者に介護保険料が払えるのか?
結論:払えます。というか実質ありません。
介護保険の保険料は所得に応じて9段階の支払額が設定されています。
第5段階が平均だとしてそこから保険料率を設定。
第9段階が高く、第1段階が最も低くなっていますね。
具体的な倍率は市町村によって違いがあり、さらに細かく設定は可能。
基本的には生活保護者は第1段階に該当します。
保険料率 | 対象者 | |
第1段階 | ×0.375 |
|
保険料については簡単に内容をまとめています。
-
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つまり生活保護者は、そもそも支払う額が格安になっています。
例えば神戸市の場合は倍率は×0.4
年額で30.048円になっています。
介護保険料は生活保護のうち『生活扶助』から支払われるので『介護保険の支払いで生活が苦しくなった』という状況は起きません。
生活保護の種類は以下の8つがあります。
- 生活扶助
- 住宅扶助
- 教育扶助
- 医療扶助
- 出産扶助
- 生業扶助
- 葬祭扶助
- 介護扶助
第2号被保険者はどうなるのか?みなし2号の扱いです。
ここである疑問が浮かび上がります。
第2号被保険者の場合はどうなるのか?
『40~64歳+医療保険加入者』が条件なのに生活保護受給者は使えるのか?
生活保護受給者で医療保険に加入していない=条件に当てはまらないので受給できないというこ考えですね。
しかし、以下の通りです。
結論:医療保険未加入の40~64歳の生活保護受給者でも介護保険を利用できます。
しつこいようですが、もう1度だけ第2号被保険者と介護保険が利用できる場合を確認しておきましょう。
- 第2号被保険者 40~64歳の医療保険加入者
- 介護保険を利用するには 『要介護状態』『要支援状態』となった原因が16の特定疾病が原因である必要があります。
生活保護受給者でも医療保険に加入していればいいのですがそんなことはありません。
生活保護を受給する際には後期高齢者医療制度や国民健康保険から脱退する必要があるからです。
国民健康保険証も持てません。
じゃあ、医療費は10割負担?と思いますが
生活保護受給者には医療扶助があり、国民健康保険証が持てない代わりに『医療券』を使用し、0割負担で医療を受けることができます。
話しが逸れましたが生活保護受給者が特定疾病で『要介護状態』『要支援状態』となった際にはみなし2号とされ介護保険と同等の『介護扶助』を受けることができます。
2号被保険者と同等であり、認定の要件には特定疾病が含まれていますね。
普通は1~3割の自己負担して介護保険を利用します。
『みなし2号』は介護保険サービスを利用できますが厳密には保険加入者ではなく費用は全て介護扶助として給付されるので自己負担はありません。
介護扶助とは【介護保険と同等のサービスです。自己負担はありません】
介護扶助とは『移送』以外は介護保険と同等のサービスが提供されます。
- 居宅介護
- 福祉用具
- 住宅改修
- 施設介護
- 介護予防
- 介護予防福祉用具
- 介護予防住宅改修
- 介護予防・日常生活支援
- 移送
それぞれのサービスの解説まではしませんが、ほぼ介護保険と同じサービスが受けられるという認識でOKです。
上記でも話しましたが『みなし2号』は10割が介護扶助からの給付でこれらのサービスを利用しても自己負担はありません。
65歳以上の生活保護の第1号被保険者は9割を介護保険の給付。
残りの1割を介護扶助から給付しており自己負担はありません。
介護保険施設に入所し日常生活費がかかる際にも施設での介護サービス分は介護扶助から、日常生活費は生活扶助から支給されます。
介護扶助を給付は指定を受けた『指定介護機関』が行います。
福祉事務所から発行される介護券を元に介護扶助を受けることになりますね。
生活保護受給者が介護扶助を受けるまでの流れ【超簡単です】
利用者からすると介護保険とほぼ同じ流れになります。
要介護認定の流れなどは以下の記事を参考にしてください。
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基本的に介護扶助は生活保護受給者(または要保護者)からの申請によって決定されます。
- 生活保護受給者が福祉事務所に介護扶助の申請
- 市町村による認定調査
- 要介護状態の判定・被保護者へ結果の通知
- 指定居宅介護事業者または地域包括支援センターがケアプランを作成
- 指定介護機関がサービスを提供する。
福祉事務所では介護扶助し、認定結果とケアプランを元に給付を決定して指定の事業者へ『介護券』を送付することになります。
どちらにしても受給者本人はまずは福祉事務所へ申請するだけ。
そこからすべては始まりますね。
まとめ
以下のことを簡単に説明しました。
- 生活保護受給者でも介護保険は利用できる。
- 医療保険に未加入の65歳以下でもみなし2号として介護保険と同等のサービスを利用できる。
- 生活保護者の自己負担は基本的にない。
- 生活保護受給が介護保険を利用する際はまずは福祉事務所に行けばいい。
今回の記事では生活保護について言及しましたが、日本って改めて考えるとセーフティーネットがしっかりしていると感じますね。
詳細な介護保険料の金額などは市町村によって異なりますので、より詳しく知りたい方はお住いの介護保険かなどへ問い合わせしてみてください。
筆者はこんな人↓
介護士を7年経験。副業アルバイトも加え猛烈に働き1年間で200万円貯金し看護学校へ。看護師へ転職し現在は急性期病院で2年目Ns+副業として介護施設でアルバイト+ブログにて情報発信中。ブログでは2桁の収益化に成功。